カラオケの「オク下」はどうやって改善したらいいの?

オク下

こんにちは、管理人のキー太郎です。

これまで【オク下とは何かオク下の確認方法オク下がダサいと言われる理由オク下批判のかわし方】と投稿をさせていただきましたが、お読みいただいた方の中には「あ、やっぱ自分はオク下だったんだ!?」と気づいた方もいらっしゃるかと思います。

ではご自身が「オク下」と分かった人は、今後「オク下」と言われないためにどんなことをすればいいのでしょうか?

キー太郎
キー太郎

結論から言いますと、実はオク下を「パッ」となくすことはけっこう難しい場合が多いと思います。・・・もちろんパッとできる人もいるんでしょうけど・・・

いわゆる「無自覚オク下」の方にありがちな「歌い始めの音が1オクターブ下」っていうことに関しては、最初の音から「♪ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」ってたどっていって、1オクターブ上にある原曲キーの音から始めればいいわけです。

ただそれも「最後までちゃんと歌いきれれば」の話で、原曲キーで歌い始めることができたとしても、どのみちサビの高音が出ずに「サビだけオク下」になってしまう可能性が極めて高いですよね。

キー太郎
キー太郎

結局は「曲の音域と自分の音域をどう合わせるか」という問題が核心部分にあるわけですから、これを「パッ」となくすことはかなり難しいでしょう。

そこで今回はこの「オク下改善」へのアプローチを、大きく以下の3つの選択肢に整理してみました。

A.原曲キーで歌えるように自分の音域を広げる
B.キー変更をできるようにする
C.自分の音域を知り、オク下になりそうな曲を避ける

これらについて、さらに記事で細かく見ていきましょう。

A-1.音域の高い曲を原曲キーで挑戦するならボイトレに通おう

最も準備期間が長くなる可能性の高い方法ですが、あくまでも「原曲キー」で歌うことを目指す人には、最終的にこの方法に賭けるしかないでしょう。

ただしお金はもちろん、①時間はかかりますし、②習ったからといって必ずできるとも限りません。

もちろんトレーナーさんの当たりハズレはありますが、しかしネットの情報だけで独学して的外れの練習方法に時間をかけたり、その結果のどを傷めたりするよりは全然よい結果につながるでしょう。

「①時間がかかる」というのは、以下のような理由によります。

A-2.高音を習得するまでの時間には個人差がある

のど周辺の肉体的な準備ができている人であれば「コツ」をつかむ(のどのポジションを習得する)だけで改善する場合もあるかもしれません。

しかし初心者さんの場合そういった準備はできていないことが多いので、地道に「肉体改造」するつもりで気長に取り組むのが普通だと思います。

キー太郎
キー太郎

「高い声を出せるようになる」ということは、たとえば「高跳びで高いバーを跳べるようになる」とか「幅跳びで遠くに跳べるようになる」ということと似ています。

仮に100mを13秒以内で走ることができる人が「幅跳びで5mを跳びたい」と望んだときには、踏み切りフォームの改善やコツの会得などにより、わりと短い時間で達成できることは多々あるでしょう。

しかし100mを走るのに17秒かかる人が「幅跳びで5mを跳びたい」と望んだときには、踏み切りフォームの改善やコツの会得くらいで実現することはまずありません。

まずは助走のスピードをアップするために、走るフォームや走るための筋力からの改善が不可欠ですし、そこが向上してきたら、今度は体を上昇させて滞空時間を長くするための強い踏み切りを生み出す全身の筋力アップも必要になってきます。

こういった「肉体改造」には数か月や数年の歳月が必要になることはよくあることなんですが、声を出すという「肉体を使ったパフォーマンス」でも原理的には同じですよね。

全身運動のための肉体改造には数か月や数年かかっても、発声のための肉体改造だけは数日で可能、なんてことにはならないでしょう。

これまであまり歌ってこなかった人が高い声を出せる体にするためには、それなりの準備期間が必要なのであって、誰もが数日や数週間で高い声が出せるわけではありません。

A-3.高音の限界には個人差がある

また「②習ったからといって必ずできるとも限りません」というのは以下の理由によります。

キー太郎
キー太郎

そもそもですが、私たちの顔や身長がひとりひとり異なるように、声帯もその形やサイズはひとりひとり異なるはずですよね。

声帯を楽器に置き換えて考えればわかることですが、小さな楽器が高い音を出すのは容易でも、低い音を出すのには限界があります。

逆に大きな楽器が低い音を出すのは余裕ですが、高い音を出すのには限界があります。

チューバのような喉を持った人がフルートのような高音を出せるようにはまずなりませんし、その逆もあり得ないのですから、自分の楽器(のど)を確かめたうえで「どこまで高音にこだわるのか」を決めてはどうでしょうか。

ボイトレにはだいたい「無料体験レッスン」がありますから、そういう機会を利用してトレーナーさんの意見を聞くという方法もありますから、検討してみてください。

B-1.キー変更(移調)ができればいろんな歌が唄える

「原曲キーで歌うことにはこだわらないけど、いろんな歌を歌いたい!」という人には、この「キー変更(移調)をできるようにする」という方法がおススメです。

ただしこのキー変更への適応についても個人差があり、「何の抵抗もなくスッとできる」という人もいれば「慣れるための練習時間が必要」という人もいますし、人によっては「練習してもかなり難しい」という場合もあります。

というのも、この「キー変更」には「相対音感」という音感が必要なのですが、これもそれまでの音楽体験などから個人差が大きい能力だからです。

原曲キーで歌えるようになるほどの準備期間ではないにしても、それなりの期間を費やす可能性があるんですね。

しかし「自分の声域に合ったキーで歌う」ということは、自分の良い声を育てることにも、良いスキルを身につけるためにも欠かせないことですから、ぜひキー変更ができるようにしていきましょう。

B-2.相対音感がキー変更への適応力を生む

相対音感がしっかりしている方は、下図のように、音符どうしの相対的な位置関係(メロディの「形」)がハッキリと記憶されています。

すると全体の高さ(キー、調)をどのように変えても、音どうしの位置関係が変わらない「相似のメロディ」として認知することができます。

ところがオク下で歌う人の中には下図のように「1オクターブ刻み」でしかメロディを受け止めることができない人もいます。

「高い方で歌うとキツイ」「低い方で歌うと楽だけど低い音がちょっと出ない」とかいう、オクターブちがいの「2択」の感じですね。

このような人の場合は、まず「オクターブ違い以外(1度違い~11度違い)のキーがある」ということに気づいてもらって、それを聴いたときに「原曲キーと相似のメロディだね」と理解できるようになるまで慣れる必要があります。

B-3.スケール練習で相対音感を鍛えよう

これまで「オクターブ違い以外のキーの存在」を意識してこなかった人は、カラオケルームに入っていきなりキー変更しても音程がまったくとれず、混乱するだけになってしまうことも多いようです。

キー太郎
キー太郎

ですので、カラオケに行く前にまずは自宅などでスマホを使っての事前練習第1段階として「スケール練習」をしておくことをお勧めします。

スケール練習とは「♪ラララララララララ~(ドレミファソファミレド~)」などというごく基本的な音階での発声を、半音ずつ上げていったり下げていったりする、音感や発声の基礎練習です。

先ほど説明した「相似のメロディ」に触れる第一歩と言っていいでしょう。

「ボーカル スケール練習」で検索すると、Youtubeにいろんな動画があって簡単に練習ができますから、毎日繰り返して練習し、相対音感を育てておきましょう。

【※注】 スケール練習では「ドレミファソファミレド」と階名(音名)を発声すると、実際の音の高さと音の呼び方の間で混乱してしまいます。

また「アアアアアアアアア」と「ア」で行うのは、のどの奥での操作となるため難しく、一音一音の区別もつきづらくなるのであまりお勧めできません。

唇や舌を使って子音を発声する「マ」や「ナ」を使うと、操作もしやすく一音一音の区別もつきやすいので、「♪マママママママママ~」とか「♪ナナナナナナナナナ~」などと練習するのがおススメです。

さらにもうひとつ、カラオケで実際の楽曲でキー変更を試してみる前の事前練習第二段階を付け加えておきます。

それは「ごく簡単な曲で移調の練習をしておく」ということです。

B-4.童謡など簡単な曲で移調を練習しておこう

カラオケルームに入っていきなりキー変更をしてもよいのですが、とくに昨今流行しているJ-POPは「音域が広い」「音程のアップダウンが大きい」「リズムが複雑」・・・と難しい曲が多いので、流行の曲でいきなりキー変更に挑戦すると「難しさの落差」が大きすぎて「音程迷子」になってしまうかもしれません。

そのため、「♪マママママママママ~」というスケール練習を少しだけ発展させた「中間レベルのステップ」を作り、キー変更の応用練習をしておきましょう。

キー太郎
キー太郎

「簡単な童謡を使った移調の練習」を私はおススメします。

童謡ならば音域は狭く音程のアップダウンも少なくリズムも簡素ですが、スケール練習よりはメロディが複雑で、しかも「マママママ」ではない歌詞がついていますので、J-POPなどの難しい楽曲とスケール練習の間の「落差を埋める練習」としては最適だと思います。

たとえば、
       「どんぐりころころ どんぶりこ~」
   半音上げ「どんぐりころころ どんぶりこ~」
さらに半音上げ「どんぐりころころ どんぶりこ~」
さらに半音上げ「どんぐりころころ どんぶりこ~」

・・・という風に「どんぐりころころ」の最初だけを使って半音ずつ変えていく練習をし、これが安定してきたらJPOPなどでキー変更を行ってみるのもよいのではないでしょうか。

童謡には『ちゅうりっぷ』や『ぞうさん』など誰でも暗唱できる曲がたくさんあり、何の準備もなくできますので、ぜひ試してみてください。

C-1.自分が歌える音域をあらかじめ調べておく

これが最も準備期間が少なくて済む方法です。

まずはアプリストアで「音域 チェック」などと検索すると、さまざまな音域チェックアプリが出てきますので、どれかを選んで自分のスマホにインストールし、使ってみましょう。

これによって自分の音域の高い限界や低い限界を知ることができます。

ここで注意することがひとつあるんですが、音域をチェックするアプリの表記はたいてい「国際表記」といって「C5」とか「A3#」などのようになっています。

ところが日本国内のポップス界隈で使われているのは「hiC」や「mid2A#」など「日本独特の俗称」の場合が多いですから、どちらにでも対応できるよう「早見表」みたいなものを準備しておくとよいでしょう。

キー太郎
キー太郎

参考までに私の作ったものを挙げておきますね。

これをスマホにダウンロードして、画像に「自分の声域」や「歌いたい歌の声域」をペン機能で書き込んでもいいかもしれません。

C-2.自分の音域でカバーできない曲を除外する

次に、自分の歌いたい曲の最高音と最低音を、以下のサイトで調べてみましょう。

音域データ! @ ウィキ ~この曲の最高音はどこ?~

キー太郎
キー太郎

※このサイトでの音域表記は「日本独自の俗称」の方になっています。

このサイトで調べた「歌いたい曲」の音域を、アプリで調べた自分の音域と比較するわけです。

もしもあなたが先に説明した「キー変更」ができそうであれば、声域が離れていようともキー変更で対応すればよいということになりますね。

しかしもしもキー変更がまだできない場合は、あなたの声域がカバーできない曲を、自分の頭の中の「歌えるリスト」から除外していく、ということになります。

上の図の例にならえば、あなたの声域が①だとしたとき、あなたがキー変更をできるのであれば、②の「桜坂」は原曲キーで歌えますし、③の「恋」はキー変更-1で、④の「Pretender」はキー変更-6ならしっかり歌えるということになります。

もしあなたがまだキー変更ができずオク下で歌いたくないのであれば、「原曲キー」1択なわけですから、②の「桜坂」はOKで、③の「恋」はちょっと難しく④の「Pretender」は全然ムリということになります。

でも今は無理だとしてもガッカリせずに「まだちょっと難しいから、またいつかね!」ということで、後の楽しみにとっておきましょう。

キー太郎
キー太郎

キー変更をできるようになったときには、思いっきり歌ってください!

まとめ

A-1.音域の高い曲を原曲キーで挑戦するならボイトレに通おう
  →自己流で無理するくらいならボイトレの「無料お試しレッスン」を。
A-2.高音を習得するまでの時間には個人差がある
  →肉体改造がどれだけ必要かは人それぞれです。
A-3.高音の限界には個人差がある
  →楽器(のど)のタイプや大きさは人それぞれです。

B-1.キー変更(移調)ができればいろんな歌が唄える
  →自分にちょうどよい声域で歌うことがよい声やよい技術を育てます!
B-2.相対音感がキー変更への適応力を生む
  →オク下・オク上以外のキーの存在に気づき、相似のメロディを感じよう。
B-3.スケール練習で相対音感を鍛えよう
  →音感と発声の「鉄板メニュー」ですから、すぐ始めよう!
B-4.童謡など簡単な曲で移調を練習しておこう
  →スケール練習とJ-POPの落差を埋める「中間ステップ」です。

C-1.自分が歌える音域をあらかじめ調べておく
  →音域は「国際表記」と「日本独自の俗称」の両方をおさえておこう。
C-2.自分の音域でカバーできない曲を除外する
  →「音域データ! @ ウィキ」などで調べて、自分の音域と比較しよう。

ここまで見てきたように、オク下の改善には人によって可能な範囲やスピードに大きなちがいがありますが、改善しようと努力する中で得られる音感や技能は、とても重要なものだと思います。

それはあなたのカラオケライフを必ずや充実したものにしてくれるものですので、ぜひ楽しみながら挑戦していってください!

キー太郎
キー太郎

ここまでお読みいただき、大変ありがとうございました!


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